
料理家、写真家として全国を飛び回り、各地に根ざした食材や料理を食べてきたminokamoさんの、ごはん旅日記。
幼い頃の食の記憶、旅で出会った珍ごはんや地元の方々の触れ合いなど食の思い出を綴ります。
こんにちは、minokamoです。
今回は、地元ならではのうどんの食べ方を紹介します。
訪れたのは群馬県の富岡市。
車で走ると、麦畑の景色が見えてきます。この辺りはお米が育ちづらい土地なため、うどんや、すいとんなど、小麦文化が発達しました。
私がお会いしたお母さんたちも、子供の頃は農作業が終わると毎日!うどんを練って打っていたそう。
毎日うどんを練る!?ちょっとびっくりしましたが、当時はそれが日常のことでした。
ハリのあるうどんの生地を練るには、若い人でもなかなかの力仕事!
私も力がある方ですが、しばらくコネてるとバテてしまいます。長年作り続けてきた80歳を超えるお母さんは、「毎日こうやってこねてたんさー」
と言いながら、腰から力を入れぎゅっ、ぎゅっとこねていきます。
なんとも頼り甲斐あること!
練った生地は、イタリアのパスタマシーンのような日本製の製麺機で伸ばして麺にしていきます。
冠婚葬祭の時など親戚が集まるときは、食事前にたくさん茹でて大きなザルにあげておきます。そして、宴会のシメにうどんをいただきます。
ゆでたて麺はほどよくコシがあり、まとめて茹でたときはツユと程よくなじみます。付け合わせのお惣菜には天ぷらや、煮物などの他、ごぼうのきんぴらも。
みなさんが、“きんぴらとうどんをぜひ一緒に!”とすすめてきてくれたので、早速うどんの上にのせていただいてみました。
太めにカットしたごぼうの歯ごたえとうどんの相性がなんとも良い!口の中でごぼうのうまみが広がって、さらに美味しくなります!
きんぴらとうどん、ちょっと意外でしたが、おすすめの組み合わせです。皆さんもご自宅でぜひお試しくださいね。
岐阜県美濃加茂市出身。料理家、写真家。「ごはんで町を元気に!」をテーマに、各地でその土地に根差したメニュー開発、キッチンプロダクトのフードコーディネート、雑誌へのメニュー提案ほか、各世代がつながるイベントも開催。味噌料理も得意とする。各地の郷土食を取材し、紹介する活動も行っている。