この連載は、umamiのおべんきょうprojectが注目している、野菜若手農家のキレドさんが担当します。キレドさんは千葉で150種もの野菜を育てている野菜農家さんで、今回は自己紹介がてら、umamiのおべんきょうprojectを主催している“やまや”の『うまだし』を使った、簡単でおいしいレシピも紹介してくれました。
photo by Shuhei Yoshida
キレドという農家らしくない名前ですが農家です。
千葉県四街道市にある広さ1ヘクタールの畑で年間約150種類の野菜を作っています。
壮大に広がるかぼちゃ畑
収穫される黄色いミニトマト
香りが強いが辛味のないスイートハラペーニョ
さらっと150種類と言いましたが、なかなかあげられないですよね?
スーパに売っている野菜をあげてみてください。大根、かぶ、小松菜、白菜、ほうれんそう、ピーマン、ナス、トマト・・・がんばってあげても20種類くらいが限界かと思います。
でも、大根の中にもいろいろな大根、かぶの中にもいろいろなかぶがあるんです。
例えば、かぶにはみなさんのよく知っている白く丸いかぶのほか、赤く丸いかぶ、赤く細長いかぶなどさまざまな種類がありますし、ヨーロッパのほうには絵本の大きなかぶに出てくるような人の顔以上になる大かぶもあります。今あげただけでも、かぶだけで4種類あるわけですね。
2色の大根、薄紫大根と紅芯大根
そしておもしろいのは、そのさまざまなかぶにはそれぞれに合った調理法があるということ。
生で食べたほうがおいしいもの、焼いたほうがおいしいもの、煮込んだほうがおいしいもの。
葉っぱまでおいしくたべられるもの。もっといえば、皮をむいたほうがいいもの、残したほうがいいもの、それは料理によって変わっていきます。
どんな料理を作りたいかによって、どのかぶを使うか、どう調理したらいいのかが変わってくるわけです。そこを意識して料理を作るようになると、おなじみの料理ももう1段階おいしい料理になるんです。
そんなことがらが野菜の種類だけあると思うとワクワクして来ませんか?
おいしい料理を作るのも食べるのも大好きな野菜農家、という視点から、うまみ(umami)から少し脱線することもあるかと思いますが、料理と野菜のお話をさせてもらえたらと思っています。
キレドでは東洋から西洋まで世界各国の変わった野菜を中心に、年間150種類以上の野菜を作っています。好奇心旺盛で食べることが大好きな人たちに野菜と畑のおもしろさを伝えるために生まれました。
野菜と畑のおもしろさに触れる生活。それは具体的にはこんな生活です。
◯おいしくて健康な野菜が手に入り
◯世界中のおもしろい野菜を知ることができ
◯様々な野菜のおいしい食べ方を知ることができ
◯毎日の料理が楽しみになり
◯料理がおいしいので食卓に笑顔が増え
◯体と食べものの関係を知ることができ
◯家族が食べものから健康になり
◯公園のように遊びにいける広い畑ができ
◯自分で畑に種を蒔くことができ
◯様々な植物や生物の生態を知ることができ
◯命を知ることから心が優しくなる
さまざまな野菜を作る農家と友達になるとこんなたくさんのいいことがあります。きっとみなさんの生活を豊かにしてくれると思いますよ。ぜひみなさんの周りも探してみてください。
キレドという名前の由来をよく聞かれるのですが、
「うららか(麗らか):太陽がのどかに照っている様子」 「よすが(寄処):よりどころ、てがかり」
という古い言葉の漢字からつけた造語です。このうららかな畑があなたのよすがになりますように。
あなたに平穏も刺激も与えますように。そう願いを込めて名前をつけました。
この連載で書くことがみなさんに平穏だけでなく刺激も与えられるものであればとてもうれしいです。
まずはお見知りおきを。キレドです!どうぞよろしくお願いいたします!
発芽したばかりの島いんげん
甘みのつまった食べどきのグリーンピース
イタリアのそら豆ファーベ
夏の千葉ではとれませんが、高原で育てることができるので一年中でまわっている野菜です。普通のレタスは柔らかいのであまりグリルには向いていませんが、ロメインレタスはパリパリしているのでおいしくしあがります。
ロメインレタスが手に入らないときは、白菜やキャベツでも代用可能です。
ロメインレタスと同様に、切り口を焦げるまで焼いてください。お酒のおつまみに合いますし、とっても美味しいですよ。
1. ロメインレタスを縦に1/4に切る
2. 洗ったらフライパンに切り口が下になるようにレタスを置いて大粒の塩、うまだしの粉末をかける
3. 蓋をして強火に火にかける
4. 焦げ目がついたら弱火にする
5. 全体がしんなりしたらオリーブオイルをふりお皿に盛り付ける
うまだしは美味しいねーと言って、お手製一品レシピをご提供してくれた栗田さん。だしパックの中身を野菜と一緒に炒めて、はい、できあがり!
千葉県四街道市育ち
九州芸術工科大学大学院芸術工学専攻修士課程修了
学生時代の6年間を福岡市、ソフトウェアエンジニア時代の6年間を金沢市で過ごす。
金沢市在住中に親友の紹介で室矢シェフ(現イルガッビアーノ)、澤田シェフ(現オーミリュードゥラヴィ) と出会う。知らない野菜を数多く使った料理を食べ野菜の奥深さを知る。
その後、シェフに直接野菜を卸している白山市の農家中野禧代美さんの畑で梨のような大根を 食べてから人生が変わる。以降、おいしい野菜を求めて会社勤めをしながら家庭菜園をスタート。
約2年間、中野禧代美さんに師事。
農業を本業としたい気持ちが抑えられなくなり12年ぶりに故郷千葉へ戻ることを決意。
千葉県八街市のシェフズガーデン エコファームアサノにて浅野悦男さんに師事。
2011年、エコファームアサノ内で野菜と畑の個人宅配「キレド」を開業
2012年の終わりに地元である千葉県四街道市に移転し独立。現在、約150種類の野菜・ハーブを栽培している。
2013年7月、野菜のファストフードの移動販売「キレドファストベジタブル」を開業。
2015年4月、工房兼店舗「キレドベジタブルアトリエ」を千葉市若葉区小倉台に開業。
http://www.kiredo.com