心とカラダを育てる食卓
vol.8 食事で免疫力を高めよう!

食育料理教室の運営をするほか、イベントやメディア出演を通じて、様々な食育活動を行う管理栄養士で上級食育アドバイザーの板垣好恵さんが、子どもの心とカラダを健やかに育む食体験の大切さをお伝えします。
親子で味わいたい「うまみレシピ」もご紹介。ぜひ親子でお試しください!

 

子どもが毎日元気に過ごすには、風邪や病気に負けない強いカラダ作りが大切です。
今回は「食事で免疫力UP」のポイントをご紹介します。

免疫力って?

免疫力とは「カラダを守る力」のことです。免疫力を高めることで、体内へ入りこんだウイルスや病原菌の増殖を抑え、病気を予防することができます。免疫細胞の約60%は「腸」に存在しているため、強いカラダ作りには腸を健康に保つこと、すなわち“腸内環境をととのえる”ことがカギとなります。子どもの腸内環境のベースは3歳頃までに作られるといわれていますので、乳幼児期から意識することが大切です。

善玉菌をふやして免疫力UP!

腸にすむ約100兆個もの腸内細菌には、カラダによい働きをする「善玉菌」、悪影響をおよぼす「悪玉菌」、どちらにも属さない「日和見菌」の3種類があります。これらの腸内細菌のバランスは生活習慣や体調などさまざまな要因で変化しますが、善玉菌の割合をふやすことが免疫力UPのポイント。腸によい食生活で善玉菌をふやし、腸内環境をととのえましょう。

善玉菌を含むものを食べよう

では、具体的にどんな食生活がよいのでしょうか。腸によい食べ物の代表格といえば「発酵食品」です。発酵食品には乳酸菌をはじめとする善玉菌が豊富に含まれていて、腸内環境をよくして免疫細胞を活性化するはたらきがあります。大人も子どもも、1日1回は発酵食品を食べる習慣をつけるとよいですね。
(発酵食品→納豆、ぬか漬け、ヨーグルト、チーズ、みそ、キムチ、甘酒など)

発酵食品とセットで食べて効果UP

発酵食品と一緒に摂ることでより腸を健康にしてくれるのが、「水溶性食物繊維」と「オリゴ糖」です。これらは善玉菌のエサ(栄養源)となることで腸内の善玉菌をふやし、乳酸菌が働きやすい環境をととのえてくれます。食物繊維は便秘予防にもよいため、積極的に摂りましょう。
(水溶性食物繊維→海藻、大麦、納豆、アボカド、なめこ、プルーン、熟した果物など)
(オリゴ糖→ごぼう、玉ねぎ、にんにく、納豆、はちみつ、バナナ、きなこなど)

子どもにおススメの食材は?

腸によい食材として子どもにおススメなのは、ずばり「納豆」です!納豆は発酵食品であり、水溶性食物繊維とオリゴ糖のどちらも含んでいる最強食材。腸によい栄養成分を効率よく摂ることができます。納豆は離乳食から食べられますし、調理の手間がかからないのも嬉しいポイント。ごはんにのせるだけでなく、チャーハンやオムレツの具材、麺類のトッピングなど、いろいろな納豆料理で子どもが飽きずに食べられるよう工夫するとよいですね。

毎日の食事に取り入れよう

納豆の他にも、子どもが食べやすい発酵食品は「ヨーグルト」と「みそ」です。
ヨーグルトには、水溶性食物繊維を含むプルーンや熟した果物などを入れたり、オリゴ糖を含むはちみつやきなこをかけて食べるのがおススメ。また、みそはみそ汁で摂るのが習慣化しやすく手軽です。わかめなどの海藻やたっぷりの野菜を入れて具だくさんにすれば、腸によい栄養成分がまとめて摂れますよ。

発酵食品はそれぞれもっている菌が違うため、同じ発酵食品を食べ続けるよりも、いろいろなものを毎日食べるのが効果的です。健康は1日にしてならず。「食事で免疫力UP!」をぜひご家族で取り組んでみてくださいね。

<親子でおいしい「うまみレシピ」>

さまざまな素材に含まれるうまみをかけ合わせた、親子で一緒においしさを味わえるレシピをご紹介します。うまみの相乗効果の活用で、塩分控えめでも満足感はバッチリ!おとなの健康維持にもおすすめなヘルシーレシピです。

ブロッコリーのおかか和え

ブロッコリーのうまみ「グルタミン酸」×かつお節のうまみ「グアニル酸」でうまみUP!
茹でたブロッコリーをかつお節とポン酢で和えて、さっぱりといただける簡単副菜です。時間をおくと味がよりなじむので、お弁当にもおすすめの1品♪

<材料:2人分>
ブロッコリー 1/3株
(a) かつお節 3g
(a) ポン酢 大さじ1/2
(a) オリーブオイル 小さじ1

 

<作り方>

① ブロッコリーは小房にわけ、熱湯でさっと茹でる。

② ボウルに(a)を混ぜ、①を加えてさっと和える。

③ 冷蔵庫でしばらくおき(10分~)味をなじませたら、器に盛り付ける。

板垣好恵 プロフィール

管理栄養士/上級食育アドバイザー
全国展開する料理教室にて、料理・パン・ケーキの講師業と集客営業に従事。本社へ異動後は管理栄養士としてレシピ本出版、講演、食事指導、法人タイアップ企画など多数事業に携わる。現在は、食育活動を軸としたイベント出演、レシピ開発、執筆、保育園の選任管理栄養士を行う傍ら、食の専門家を集めたユニットFoodRingの代表を務める。2019年より土浦にて食育料理教室「ぼくらのキッチン」を運営。

◆食の専門家ユニットFoodRing
https://foodring.jp/

◆食育料理教室「ぼくらのキッチン」
https://www.bokurano-kitchen.com/